女性活躍推進シンポジウム視聴レポート

2024年2月2日、女性活躍推進センターによる「女性活躍シンポジウム」がオンラインで開催されました。シンポジウムでは、男女の賃金の差異と女性活躍推進に焦点を当て、基調講演、企業からの取り組み紹介、パネルディスカッションが行われました。女性活躍推進センターは、民間企業の女性活躍促進に向けた取り組みを支援する厚生労働省の委託事業です。本記事ではシンポジウムの視聴レポートをお届けします。

基調講演

近畿大学の松原光准教授による基調講演では、男女の賃金の差異についての大きな要因として昇進と労働時間を挙げられ、時短勤務などの従来の両立支援の取り組みを見直し、キャリア形成実現のための両立支援に取り組むことが重要であり、自社の男女の賃金の差異の課題の把握と行動計画の策定、社員への周知、外部へ公表も女性の活躍推進につながることが見解を示されました。

企業講演

企業講演では、日興システムソリューションズ株式会社、株式会社ペイロールの2社が女性活躍推進の取り組みを紹介しました。

日興システムソリューションズ株式会社

女性活躍推進センター公式Youtube動画より

日興システムソリューションズでは、女性活躍推進のため、休業・休暇制度の充実、多様な働き方の導入、長時間労働の改善を取り組みとして実施され、その結果時間外労働の大幅な減少、有休取得率の上昇、そして男性の育児休業取得率の上昇を実現されました。一方で、女性管理職の比率が低いことが課題であり、女性管理職のサポートなど働きやすい職場環境づくりに注力して取り組まれています。

株式会社ペイロール

女性活躍推進センター公式Youtube動画より

ペイロールでは、男女の賃金の差について要因分析を行い、改善施策の実施に取り組まれています。賃金の差は、分析から性別による管理職人数割合の差が関連しており、その差は昇進意欲の違いや業務集中の要因があることが分かりました。これらの問題に対処するために研修、キャリアプラン構築等の11個の施策実施に加え、「carefull」というフェムテックサービスを導入し、セミナーや匿名コミュニティ、福利厚生を通じて女性が働きやすい環境づくりに取り組まれています。

パネルディスカッション

有識者5名によるパネルディスカッションでは、キャリア形成の両立支援制度や女性管理職を増やすために企業ができる取り組みなどについて議論が交わされました。視聴者から寄せられた質問をもとに、育児休業の実態と復職後の体験談、フレックス制度や変形労働時間制に関する現場の声、女性管理職のエンゲージメント向上策などがパネリストから語られました。


シンポジウムを通じて、男女の賃金差には、女性管理職比率の低さや労働時間、働き方について課題があり、この問題に対処するには、両立支援制度の見直しやキャリア形成支援、働きやすい職場環境づくりが重要であることが分かりました。
本記事ではシンポジウムの一部をご紹介しています。女性活躍推進センターの公式Youtubeチャンネルでは、全編アーカイブ動画が、2024年3月29日まで配信されています。ご興味ある方はぜひご視聴ください。

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