リスキリングとは、「社会や業務環境の変化に適応するために、新たな知識やスキルを習得する取り組み」を指します。具体的には、プログラミングやAI・IoTといったIT分野のスキル、語学力、さらにはマーケティング能力などが主な学習内容として挙げられます。
近年の日本では、AIやデジタル技術の進展による「第4次産業革命」や、深刻化する労働力不足を背景に、リスキリングの重要性が一層高まっています。特に業務の自動化やAI活用が進む中で、これまでの業務プロセスを見直し、データやITを味方につけた新しいスキルを身につける機会が広がっています。
企業にとっては業務効率化や新規事業創出につながる一方で、個人にとってもスキルの幅を広げて市場価値を高める大きなきっかけになります。特に女性にとっては、ライフステージの変化に左右されにくい「強みになるスキル」を身につけることが、長く自分らしく働き続けるための大きな力になります。
第4次産業革命とは
AIやIoT、ビッグデータなどの先端技術を活用し、社会や仕事の仕組みを大きく変えていく技術革新のことです。
これにより、業務の自動化や効率化が進み、一人ひとりに合わせたサービスの提供も可能になります。こうした変化の中で、一般事務やレジ業務など、人が担ってきた仕事の一部では、自動化や役割の見直しが進んでいます。一方で、従来の仕事のニーズが変化する中、新たなスキルや役割が求められる機会も広がっています。
女性にとってのリスキリングのメリット
女性のリスキリングは、現状では男性に比べてまだ低い水準にとどまっています。
例えば、スキルアップ研究所 の調査によると、リスキリングに取り組んでいる割合は男性36.4%(162人/445人)に対し、女性は25.6%(128人/500人)となっています。しかし、特にニーズが高まっているデータ・AI・IT領域でリスキリングを行うことで、以下のような大きなメリットが得られます。(参照:スキルアップ研究所調べ)
- ライフイベントを経てもキャリアの選択肢が広がる
結婚、出産、育休などのブランクがあっても、希少価値の高いデータ・AI領域のスキルがあることで、再就職・転職・復職後のキャリアアップがスムーズになります。 - 柔軟な働き方(リモート・フレックス)を実現しやすい
PC1台とデータ・AIツールを活用できるスキルがあれば、在宅ワークやフリーランス、時短勤務など、生活スタイルに合わせた柔軟な働き方を選びやすくなります。 - デジタル人材の需要増による収入アップ
データ分析やIT活用ができる人材は市場価値が高く、より好条件の職種・ポジションへのステップアップ(収入増加)につながりやすくなります。
リスキルを成功させる5ステップ

「在宅でデータ分析をしたい」「今の仕事で生成AIを使って効率化したい」など、目的を明確にすることで必要なスキルが整理され、利用する支援制度や学習の進め方も決めやすくなります。
今の自分の強み(業務知識やコミュニケーション力など)と、不足しているデジタルスキルを把握し、どのスキルを優先して学ぶか整理します。
各自治体や厚生労働省が提供する補助金・助成金、教育訓練給付金制度などを賢く利用し、費用負担を抑えて学ぶことができます。
ライフスタイルに合わせて、オンライン教材やアーカイブ動画などを活用し、無理なく継続できる学び方を見つけます。
学習後は実際にスキルを活用して定着させ、継続的することが大切です。
【 スキル実践の一例 】
データ分析:エクセルやGoogleスプレッドシートで家計簿の自動計算ツールを作成。家庭やチームの支出・データを可視化してみる。
生成AI:日々のメール作成や企画案出しにChatGPT等のプロンプトを活用してみる。
Webデザイン:自身でブログサイトを制作してみる。
ライティング:クラウドソーシングを活用して案件に挑戦する。
女性におすすめのデータ・AI・ITスキル5選
① 生成AI・プロンプトエンジニアリング
ChatGPTをはじめとする生成AIの活用スキルです。文章作成、要約、リサーチ、アイデア出しなど、あらゆる職種で業務時間を大幅に短縮できる「今最も即効性のあるスキル」です。
② データ分析・BIツール活用(Power BI / Tableau / Excel高度化)
集計データから「課題」や「次のアクション」を導き出すスキルです。マーケティング・営業・人事・事務など、どの職種でも重宝される強力な武器になります。
③ Web・SNSデータマーケティング
Googleアナリティクスなどを使い、WebサイトやSNSのアクセスデータを分析・改善するスキルです。企業の広報・販売戦略に欠かせないスキルで、常に需要が高いです。ECサイト運用や広報、在宅での副業・案件獲得にも直結します。
④ プログラミング基礎・Python / SQL
データ処理の自動化やデータ抽出を行うための言語です。本格的なデータサイエンティストを目指す方はもちろん、業務の自動化(RPA)や効率化を図りたい人にもおすすめです。
⑤ コンサルティング・Problem Solving(問題解決力)
データの数字からビジネスの課題を発見し、解決策を提案する力です。問題を見つけて分析し、解決策を考える力で、管理職や人事、起業など幅広い分野で活用できます。AIやツールの導入が進むからこそ、最後にデータを読み解いて人間が判断・提案するスキルが重要視されます。
おすすめの学習方法
| オンラインスクール | 時間や場所に縛られず自分のペースで学べる点が魅力です。講師のサポートがある場合は学習に不安がある人でも取り組みやすく、目的に応じた専門スキルや資格を効率的に習得することができます。 |
| eラーニング(Udemy・Courseraなど) | 自分のペースで、ピンポイントなテーマ(Python基礎、AI活用など)を安価に学びたい人に向いています。オンラインスクールに比べて比較的手ごろな価格で始められる一方、自主的に進める必要があるため、他の学習方法と組み合わせるのもおすすめです。 |
| ウェビナー・コミュニティの活用 | 女性向けのデータ・AIイベント(PyLadies Tokyo、https://tokyo.pyladies.com/ WiDS https://wids.hiroshima.jp/ など)や勉強会に参加し、同じ目標を持つ仲間やロールモデルとつながることで、継続のモチベーションを保ちやすくなります。短期間で集中的に学べるものが多く、忙しい方でも取り組みやすい点も魅力です。 |
| メンタリング・コーチング | キャリアの方向性に悩んでいる場合、専門家に相談しながら学習ロードマップを固める方法も有効です。メンターからは実体験に基づく助言や業界の知識を得ることができ、コーチングでは目標設定などを通じて、自分の可能性を引き出すサポートを受けられます。 |
| 参考書を利用して独学 | 費用を抑えつつ自分のペースで学習を進めたい人に向いています。理解度に合わせて繰り返し学べます。 |
リスキルで活用できる主な支援制度
- 教育訓練給付金(厚生労働省)
国が指定する講座を受講した際、受講費用の一部(最大70〜80%)が支給される制度。 - 求職者支援制度(厚生労働省)
再就職やスキル習得を目指す人が、月10万円の生活支援給付金を受け取りながら、無料で職業訓練を受けられる制度。 - リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
キャリアアップを目指す人を対象に、キャリア相談から講座受講、転職支援まで一体的にサポートを受けられる制度。 - 母子(父子)家庭自立支援給付金(こども家庭庁)
ひとり親世帯の方が資格・スキル習得を目指す際の費用を一部補助する制度。 - 自治体独自の支援制度:一部の自治体では、独自にリスキリング支援制度を設けている場合があります(例:東京都や大阪府のスキルアップ支援など)。詳細はお住まいの自治体のホームページでご確認ください。
データ・AI・ITスキルが学べるおすすめ講座・スクール
- MySTAR(マイスター)
AIとWebデザインを掛け合わせたスキルが学べる女性向けオンラインスクール。生成AI時代の新しいスキルセットを身に付けたい方におすすめです。 - Ms.Engineer(ミズ・エンジニア)
女性専用のIT・プログラミング学習サービス。未経験から高度なエンジニアスキルやIT知識を身につけ、最短8か月でキャリアチェンジを目指せます。 - SHElikes(シーライクス)
Webデザインやマーケティングに加え、データ分析やAI活用関連のレッスンも充実。コーチングやコミュニティ機能が豊富で、挫折せずに続けやすい環境です。条件を満たせば国の教育訓練給付金も活用可能です。 - GeekGirlLabo(ギークガールラボ)
女性専用のIT・プログラミングスクール。オンラインでWebデザインやプログラミングなど在宅ワークにつながるスキルを基礎から学べます。ライフステージの変化に合わせて休学・再開ができる柔軟なシステムがあり、育児や仕事と両立しながらITスキルを学べます。 - DataMix(データミックス)
本格的なデータサイエンスやPython、AI構築を学びたい方向けの専門スクール。国の給付金制度を活用することで受講費用を大幅に抑えて受講可能です。 - Find me!(ファインドミー)
女性向けのオンラインWebデザインスクールで、24時間365日質問できるサポートがあります。月額制で無理なく始められ、マンツーマン指導で自分のペースで学習できます。履歴書添削や模擬面接などの就職支援も受けられます。 - LadyCarry(ラディキャリ)
20〜30代女性向けのオンラインキャリアコーチングで、自分らしい働き方を選ぶ力を育てます。自己理解やキャリア設計を中心に、在宅ワークや副業に役立つスキルを段階的に学べ、将来の選択肢を整理しながら進められるのが特徴です。
※掲載しているスクール・支援制度は一例です。最新の開講状況や給付対象条件は各公式サイトをご確認ください。
データやAIの活用スキルは、自分の仕事や日常を便利にしてくれる「使い勝手のいい道具」のようなものです。
仕事や勉強の疑問を生成AIで解消してみたり、気になる無料講座を覗いてみたり。そうした小さなアクションから、自分らしい働き方の選択肢を広げていきましょう。

